2021年6月
この季節になると道端に咲いていることに気づいてはいたけれど、誰もいない野原で初めてゆっくり眺めていたら、やわらかな風がとても似合うお花だと知った。あなたはハルシャギクというんだね。
少しだけ先にある道を確かめるように、ゆっくりと歩いて家路につくおばあさんとすれ違った。
手に提げたビニール袋には8等分くらいに切られた薄いスイカがひとつ。
たぶんひとりで食べる分。
角を曲がり細い道へと入っていく後ろ姿を見送る。